[コメント] アルカトラズからの脱出(1979/米)
いくつかの偶然。囚人仲間からの意識的な支援や無意識の協力。そういうものが積み重なった末の結末ではあるのだが。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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同じ「脱獄モノ」のジャック・ベッケル『穴』(1960/仏)も、その穴を穿つ大音響に観ているこちらが驚愕したものだ。本作のフランク・モリス(クリント・イーストウッド)らも結構大きな物音などを立てているように思える。だが、案外気づかれない。まったくもってそういう描写だ。ここで僕らは「監視の目を盗んで、見つからないように何かをする」ことの愉しさを擬似的に体験しているのではないか。見つかるかもしれない。このドキドキこそ愉悦なのではないか。人間、幾つになっても変わらないのだ(←?)。
例えば普通に寝ている人間の頭に不審を覚える看守はいない。だからあの頭が実はイーストウッドのでした、てのは敢えてする演出だ。でも、あの頭部の模型。張りぼての壁と鉄格子。この適度な適当感(?)が必要なのだと思う。精巧に作りすぎて、見分けがつかなくなっては駄目なのじゃないか。
もちろん彼らが成功してくれて嬉しい。その後が描かれないのも映画好きにはなお嬉しい。ああなったかしらこうなったかしらと想像するのが楽しいから。彼らは生き延びて、後に劇場で本作を観ただろうか?とか。せめてベッケル『穴』ぐらいは観たか?とか。でも、仮に失敗したとしても、その時点で僕らはドキドキを十分に楽しんだのではないか。あるいは僕の映画の見方が変わってきたかしら。
80/100(22/10/31見)
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