何を隠そうロバート・レッドフォード と ブラッド・ピット の大ファンである。だから封切りが待ちきれず、公開日に見に行けず、イライラしながら映画館へいける日を心待ちにしていた。しかし不安もあった。この二人がでているにもかかわらず、「つまらない映画だったらどうしよう・・・」。なんとなく、見たいような見たくないような複雑な気持ち。そんな気持ちになったことはありませんか？

　ありがたいことに、出だしからその不安は払拭された。独特の映像表現が緊張感をあおり、すぐにその世界にどっぷりつかっていた。プロ中のプロのミュアーと若く優秀でちょっと生意気なビショップに魅せられていた。

　不思議なことに、ロバート・レッドフォード はミュアーでもありロバート・レッドフォードでもある。そして ブラッド・ピット も、ビショップでありながらブラッド・ピットでもあるように私には見えた。それは、この二人の大ファンだからだろうか。俳優に対してのほめ言葉とは決していえないが・・・

　冷静に後から見返すと、映画の中での中国の描き方については多少疑問が残るが、それはどの映画でも抱えている問題で、すなわち「一番力点を置いて描かれているのは何か」というところではないかと思う。この映画は、アメリカのCIAからの視点で描かれており、そこからみたらそうなんだといわれればそういうもんだろう。アメリカが世界の中心であり正義であり強者であり、という映画には、通常非常に抵抗感を覚えるのだが、今回はあまりそれは感じなかった。それはひとつにはこの映画では結構ビショップが痛めつけられていることと、それから・・・やはり惚れた弱みかな、とも思う。

　DVDも発売日に入手した。昨日の夜はもう一度、この映画の世界を堪能させていただいた。これからも『羊たちの沈黙』『レッドオクトーバーを追え』などと並ぶマイベストのひとつであり続けるだろう。そういう映画に出会えたことは大変な幸せである。（マイベストはもっとたくさんありま〜す）