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[コメント] 盲獣VS一寸法師(2001/日)

カルトの鬼才と煽てられた挙句の集大成がコレなのか?学生の自主制作映画にも劣る未熟な仕上げで入場料金を取ろうなんて・・プロとして余りにも情け無い。
sawa:38

東映時代のギャング物、『網走番外地』、エログロ時代劇・・・どれも私にとっては「どうでもいい」作品たちだ。落胆する事は分かっていながら鑑賞し、予想通りに失望する。

今回もソレは分かっていた事だ。しかし、想定の範囲外の作品の仕上げに呆然とし、失望どころか憤慨してしまった。

それは冒頭から始まった。

クリア過ぎる映像は乱歩作品の雰囲気を伝えられないどころか、ワイドショーの再現フィルムを思わせるような安っぽい映像になっていた。飛躍的に向上するカメラ機器での撮影は何でもクリアに写し撮る。しかし、本作ではその映像に対して何ら処理を施すでもなく、ただ写ったモノをそのまま提供していただけだった。

無策なのか無能なのか?撮影は監督の石井輝男が兼ねていた・・・

さらに俳優も楽屋落ちを狙ったのか、役者専門でない同業の監督たちを役者として参加させていた。百歩譲って彼等の下手な芝居に我慢もしよう。しかし我慢ならなかったのは、アフレコの下手さだった。

台詞と映像の口が合っていないし、演者との距離感が全く感じられない音量。

観客は録音室のマイクの前で喋っている演者が容易に想像できたのではないか?映像では奥行きのある位置に立っている役者の声も、マイクの前に並んで喋っているから台詞には奥行きがなく、妙な感覚に襲われてしまうのだ。

照明だって変だ。ディフォルトされたイメージシーンならともかく、通常の街中のシーンでも常に「照明さん」の存在が伝わってくる映像。

まるで学生たちが、ようやく作った自主制作映画のような仕上がり。もう駄目だと思った。「どうでもいい」モノを発掘して過大に評価すれば「カルト」になるが、「どうしようもない」モノは文字通り「どうしようもない」。これがプロの手によって公開されたという一点に対して憤りを感じる。

(評価:★1)

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