[コメント] ターミネーター(1984/米)
異世界観の設定構築に信頼ができるキャメロンの話術が光ったSO-SOムービー
順風なる序章といった清冽な印象をもつよくできたB級映画である。架空世界の物語はその架空に設定された異世界の世界観に信頼が置けるかどうかが劇的な効果を生む鍵であり、その点では、キャメロンの確かなエンターテイメントレトリックも相俟って高度な達成を見せているといえるだろう。確かにヒロイン、リンダ・ハミルトンはどうだろうという向きもある。シガニー・ウィーバーに比べ見劣りするのも、ボディ・バランスを含めたルックスに限界が確かにあり、その線ではどうにも立ち行かないので残念だが、やはりここは、キャメロンの確かな演出力の勝利である。B級で培ってきた腕力は確かな実績として本作に息づいている。続編はさらに物語世界の深度を見せ、キャメロンの実力をひときわアピールすることに成功したが、映画が演出のものであることを伺わせる本作は、昨今の凡百ある技術派映画のお手本として突きつけたいものだ。
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