私はてっきり、あの鏡おばけが「ヴィドック」なのだろうと思い込んでいたので、最初は面食らった。バットマンやスポーンのように、ダークサイドの悲しみを描いたストーリーだと思っていたので…（自分の中で勝手に映画を作ってしまっていた妄想癖乙女）。

そういう訳で、あの鏡おばけ（私の中では「ヴィドック」）がなぜあそこまで若さにこだわったのか、何かの復讐であったのか、そういう肝心なところが全て曖昧で観終わった後も何かスッキリしない、後味の悪い映画だった。

映像的にはあのカメラワークがイライラする。適当に誤魔化された感じ。ちゃんとはっきりクリアに魅せなさいよ！そしてあのヴィーナスフォートのような色彩が人工的で、それはそれでいいんだけど、そうするのであれば、もっとマンガ的に徹して欲しかった。中途半端に王道を行こうとする意図が垣間見えて嫌だった。