[コメント] 息子の部屋(2001/仏=伊)
映画を見終った人むけのレビューです。
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結構映画も数を観るようになると、自分にとってのツボというのがあるのに気が付く。それは時として、自分でも「らしくないな」と思うようなものがあるわけだが、私にとってその最大のパターンは、「家族を作っていく(あるいは家族の再生)」というものらしい。どれだけべたべたな物語であっても、何故か私はこのパターンにとても弱い。時として他愛もなく涙を流したりもする。
本作の場合、それはちょっと違うと言う意見もあるだろう。何せストーリー上、愛すべく家族は既にいなくなってしまっているのだ。むしろその喪失をどう描くか。と言う物語のはずだった。
しかし、これを観進めていく内に、本作も又、家族の再生という形式に則っていることに気づかされた。これは家族の喪失を描くと共に、実は家族を再生させる物語だったのだ。
ただ、死んでいるからと言って、それが家族と関わりなく、単なる喪失で終わっているのかというと、さにあらず。死んでしまった息子アンドレアは回想シーンで何度も登場して、更に彼の恋人までも登場することによって、消えた息子との関係が(少なくともジョヴァンニの中では)続いている。実際に人は、たとえいなくなっても、遺された人の胸の中で生き続ける。その中で家族はやっぱり作られていくものなのだろう。 喪失感を超えて生きていくとは、実は本当の意味でいなくなったのではない。と言うことを確認する過程なのかもしれない。
そのパターンでは秀作とも言える『普通の人々』(1980)という作品もあるが、本作はそれとはアプローチの仕方がずいぶん違っている。あの作品ほど社会的にコミットはしてないし、むしろ克明に家族を描くことに特化している感じを受ける。その分精神的に突き放すことが出来ず、その分暖かみを感じた作品だった。
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