[コメント] WASABI(2001/仏=日)
日本を描いた映画として、いきなり話が他作に飛んでしまいますが・・・
『ラスト サムライ』が昨年のベスト5に入るほどの私が言うのもなんですが、ラストサムライを劇場で3回観て(ほぼ1ヶ月の間です)3度目には、あんなに感動した作品にもかかわらず少々飽きがきました。続けざまに飽きるまで観てしまう私も私ですが(もちろんDVDは買いますよ!)、これって海外で食べる寿司みたいなもんだと思う。
ある程度長いこと海外にいると、大抵の日本人はふと寿司を食べたくなりますよね。食べてみて「美味しい!」と思っても、もう一度同じ店で同じように「美味しい」と感じるかというと、日本と同じようにホントに美味しいお寿司屋さんはなかなか海外ではなく、普通だったりするわけです。このケースは最初は本物に近いぐらい美味しく感じたけれど、それは(日本食に飢えた末の)求めていたものを得られた喜びであった、パターンです。
一方、日本人の味覚からして「あれ?」と思ったにもかかわらず、それはそれで「美味しければ」満足したりもしますよね。 こちらは明らかに本物とは異質なんだけど、美味しく頂けるパターンと言えます。
本作で何が言いたいかといいますと、そこなのです。
『キル・ビル』と本作の違いは、日本らしくない日本(寿司らしくない寿司)を旨く料理できているかどうか?の違いだと思うのです。
『キル・ビル』は旨かったです。沖縄の居酒屋と東京の中華料理店の描写など、コースメニューのようにシーンが入れ替り、その旨さにニンマリしました。でももう一回劇場で観たくなるような旨さではなかった。
『WASABI』はというと、本作には「ラスト サムライ」の味も「キル・ビル」の味もしなかった。嘘の日本をネタにして作ったはいいけれど、そこに味がなかったのです(WASABIなんだけど)。それ故に決して不快というわけではないのですが、あまり記憶に残らないのです。
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