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[コメント] ビューティフル・マインド(2001/米)

雲の上で世界を「支配」することを夢想する人々には共感できない。映画としての作りは確かなのだけれども。
ぽんた

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画を見て痛切に感じた違和感を僕の拙い言葉で。

授業に出席するのは時間の無駄だ、奴らには分からない、などと言いつつウィーラー(だっけ?忘れちゃったよ)に推薦されることを願う彼の精神構造。負けることを恐れ既存の体質を批判しつつエリート選抜システムにしがみつく彼の生き様は僕の目に醜く映る。 真理、法則によって世界を取り込むことを、彼ら選ばれた天才は望むのかもしれない。けれど天才でない僕は餌を追う鳩でありたいのか。切り抜き雑誌から浮かび上がる(あるいは浮かび上がらない)記号のひとつでありたいのか。

否。

斬新な理論を作り出し、世界を手に入れたはずの彼が陥った心の病。そんな彼が手にするノーベル賞はもはや皮肉以外の何物でもない。 世界を貫き、人々を支配する真理を求めるよりも、どうしようもない人間の些細な喜びに、悲しみに、一喜一憂する方がよっぽどましだということこそが、彼にとっての救いであって欲しかった。 かつて真理を手にしようと夢想し、迷った、自らへの戒めとして。

(評価:★2)

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