[コメント] ビューティフル・マインド(2001/米)
理数系人の持つ特有の奇妙さ(ナッシュだけに限らず周辺も)を会話や態度に巧く描き出していたのは感心。学生時代からノーベル賞受賞までの長い長い道のりを飽きさせずに魅せる監督の手腕も評価。しかし…
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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最初に観た時は高評価してしまったが、時が経ち、はたして本作がオスカー受賞に至るほどの作品か疑問が湧いている。前述の部分は勿論、他にも、複雑な精神状態を迫真の演技で見せるクロウや深い情愛で彼を支えるコネリーの無償の愛の献身ぶりは胸を打つ。クロウは『グラディエーター』より本作の演技の方がオスカーに値する程だし。けれど、結局のところ前半のほとんどに割いた彼の統合失調障害による妄想を、現実のように描いた演出に疑問が残る。結局は非現実であるし、彼の想像を、ああした形で描かなくても、もっと違った形で構成できたはず。結局彼の妄想と知らずに付き合って中盤でそれが現実じゃないのだと知らされた観客は、前半部分の無意味さにどっと疲労を覚えるはず。どーも、その妄想シーンをこれ見よがしに現実的に描いた部分に監督の傲りを感じてしまう。作品に流れていた文学性も薄れた。アートワークとしてはナッシュがガラスや何かに数式を書く構図などが印象深くはあった。数学者の数奇な運命を描いた作品というよりはコネリーの視点で、ひとつのラブストーリーとして観た方がしっくりくる。ノーベル賞授賞式でのクロウのコメントは感動。ナッシュの実際のスピーチはどうだったのだろう?。
「謎に満ちた愛の方程式の中に¨理¨は存在するのです」byクロウ
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