泣かせるつもりなら大失敗。 家族とコミュニケーションが取りにくくなっている精神医学者って、設定として平凡で。患者たちもなんだか「作ってる」感があって。 宇宙人的なスペイシーは、「ちょっとだけ」変わったことをするという抑制の効いた演出と演技で、さすが、と思ったのに、途中でつらい現実から逃げるための「自分の中の宇宙人」になって、現実に戻ったかと思いきや、またSF風に……物語の骨がない。 作者は一体、どっちが真実だと思って書いたのか？ どちらでもいいと思ったのか？ 単なる気休めじゃなくて？

患者は麻痺状態に陥ったまま（見た目）なのに、主人公の医者だけが自己満足しているんじゃない？

SF味と精神医療味の取り混ぜは面白い。結局なんだったのか、解らないところがまた面白い。でも観終わった後はやっぱ……食い足りない感。