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[コメント] パニック・ルーム(2002/米)

エンドロールの曲がヒッチコックの『サイコ』のオープニングの曲に似てると思うのは俺だけか? 2002年5月25日劇場鑑賞27日追加
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







カメラワークと、演出力に拍手☆

ストーリー的に「どうやって映画尺に引き伸ばすんだ?」って思ってたら、脚本かも頑張ってるみたいで、どんどん次々と親子に危機が訪れる。

う〜ん、しかしアイデアはシンプルなのに、演出力やらカメラワークで恐怖を演出するのは、ヒッチコックに似てないか?そう考えるとよりいっそうラストの曲が『サイコ』に近づいてくる・・・・。

正直、中盤(っていうかエンドロール直前)まで4点献上しようと思ってた。頭の悪いねこすけは先が読めなかった(警察が来るのは大体読めたし、あの黒人がラストで救うのも大体読めた)んだが、ラストがありゃ、ひどいだろ・・・・。

黒人はあれだけ「泥棒」に徹して、決して「殺人犯」になろうとしなかったばかりか、子供を助けて、子供を助けようとした。子供もあの黒人が実は優しいことをわかっているはずだ。(お母さんは何もしらないから、「殺人犯」と思うだろうけど)

ってことはラストで黒人が警察に捕まるトコで、子供が「だめー!」とかなんとか叫ぶくらいしてもいいんじゃねーか?やっぱ泥棒だって憎いさ。

けどあの黒人は映画の中の唯一の愛すべき(?)キャラクターじゃないかな?まぁ確かにあのボスきどりのクレイジー君(途中殺される人)はどうでもいいし、あの『シャイニング』のジャック・ニコルソンに妙に似てる殺人犯もどうだっていいんだけど、あの黒人は憎めないキャラだろ!

そいつをラストで捕まったまま終わらすのは後味悪すぎ!

しかもラスト強盗が家から脱出しようとする時、全部ドアの鍵しめて待ち伏せしてるのはいいけど、ジョディー・フォスターはだしぢゃん!

鏡割る時普通に踏んでただろ!いくら興奮しててもさすがに痛いだろ。『ダイ・ハード』の不死身の悪運男ジョン・マクレーンですら、ガラスを踏んで痛がってたんだから。

まぁここまで良い演出と頑張って長引かせた脚本を考えると4点献上なんだけど、ちょと後味+ガラスの疑問あったりするからやっぱり3点。

しかしデビット・フィンチャ―作品とは今までことごとく相性悪かったのだが今回はかなり面白かった。是非ヒッチコックに作って欲しいような作品だわ♪

ついでにあの家について。

・あの家パニック・ルームなるものが存在してたが冒頭の説明から最近のほとんどの家にはあるとか・・・・。

・まぁそんなことはどうでもいいけど、電話回線が2つってことは基本料金二世帯分?それからあのパニックルームないの非常食とか年に一回整理して・・・・。面倒くさすぎる!

・それから他から独立した通気設備・・・・。壁にあるのって一体なぜ?

・そしてなぜ壁(しかも薄いトコ)の裏にあんなに色んな回線張り巡らされてるわけ?もうちっと回線も守れって。

・それから娘への注射の要求するときジョディーってパニックルーム内の人と会話してなかったか?

・それからガスタンク(?)って火がついても暴れまわるだけで爆発しないの?

・そして何よりも、パニック・ルームの方が金庫よりも設備が頑丈で絶対開かない。金庫はすぐ開く・・・・なぜ?

う〜ん、ある意味で謎が多すぎる・・・・。

さらにあのオープニングはどうにかならんかな?確かに見てて面白いけど、面白すぎてつい一人で笑ってしまった・・・。バカらしくて・・・

音楽・・・5☆☆☆☆☆ 映像・・・5☆☆☆☆☆(すべてがよし!)

演出最高!

総合・・・3☆☆☆

音楽とカメラワークを使って、演出力だけで、たしかに極上のスリラーはできるけどやっぱ細かいトコ(特にガラスは痛いって)は考えろって。それから後味悪くしすぎ。終わり方をもう少しひねってくれ。

う〜ん、でも劇中自分はめちゃめちゃドキドキしてたし(特に携帯電話のシーン)、4点にしようか3点にしようか迷うけど・・・・とりあえず4点!これは演出力にたいしてで、映画は3点!

―――――ラストについて

う〜ん、あれでいいのか?あの黒人はそういうキャラかもしんねーけど、ラスト立場が一転して逆にジョディーが追い詰めるのもいかがなもんだろうか?

なんかこの辺りが気に食わないかな・・・。

けど自分がいうように子供が叫んでも仕方ないし・・・、この話のラストのつけ方は相当悩んだんじゃないのか?それとも悩まずに書いたのだったら相当後半失速してますね。

―――――オープニングについて

あれは何?バカじゃないの。ホンとに笑ってしまった。あの文字。映画とつりあってない。

――――――携帯電話のシーン

ここはこの映画の一番凄いトコ(上手いトコ)ですね。凝ったカメラワークが劇中ごろごろあるけど、このシーンは音楽もカメラワークも別にって感じ

ただあるのは「観客」を「観客」にして緊迫感をどれだけあたえるか?

ヒッチコックの『サボタージュ』だっけ?爆発するのを近くの人は知らない、けど観客はいつ爆発するかわかってる。なのにその人はのんきにバカ話をしている

こういう「観客は全てわかっている」を使って緊迫感を上げるヒッチコック

この映画の携帯電話のシーンは

最初に充電するジョディー。そして携帯がベッドの下に落ちる。

まずこのときに観客は「充電が中途半端じゃないのか?」ってこと、「携帯がベッドの下に落ちている」こと、そして「採集手段として携帯がある」ことを記憶する。

しかし彼女と娘は部屋に持って入らずに、さらに中盤まで気付かない。そこまで観客は「携帯だよ!だから携帯だって!いまその部屋誰もいないんだから早く取りにいけって!」と思う

そして中盤やっと気付き取りに行くシーン

口論している強盗、ドアを開いて必死に走るジョディー

音がないので、どこまでが強盗に聞こえていて、どこまでがセーフなのかわからない

そして無音が逆に緊張感を上げて、そしてジョディーは充電器のトコを探る。しかしあるわけはない。焦るジョディー。このとき観客は「ベッドのしただよ!早く速く!」

そして焦る。しかしジョディーは気付くがライト(?)を落としてがちゃ〜ん。気付く強盗、走ってあがってくる

ここでジョディーは携帯を拾ったので部屋に戻らなければいけない

走るジョディー。しかし体勢が悪かったので上手く走り出せない。強盗が来る!来る!来る!

こんあありふれたシーンを緊迫感ばりばりにした演出力はすごい!

(評価:★4)

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