”前に進むことを考える人は過去を断ち切ろうとし、それと反対の考えの持ち主は、現在にとどまるがゆえに過去への思いを持つことができる。”これって両者ともを批難しているのではないわけでしょう。少し難しい言い方だけど、言いたいことはなんとなく分かるような気がする。ゴダールの映画ってこの手の難解な言葉に満ちていて、そのうち一つでも二つでも多く理解できたらそれでよし、とするものなのかしら。ただ、ゴダールとまったく感性を同じくする人はゴダール以外にいないわけだから、この映画は究極のところゴダールのためだけの映画であって、観客のものではない。のではないかしら（弱気）。

きっと彼は映画で言いたいことがたくさんあり過ぎて、何でもかんでも突っ込むタイプなのでは。日本の裁判制度と似ているけど、特定のケースに集中して取り組んだ方が、結局は早く進むのではないかな。4、5本観た程度だから断定的なことは言えないけど、ジャン・リュック・ゴダールはずっと同じ映画を撮りつづけている気がするよ。

それにしても退屈な映画だな。60／100（03/02/16見）