[コメント] 革命前夜(1964/伊)
今の日本では革命前夜と言われてもピンとこない。そんな人にオススメしたい映画がある。
こちらは学園祭前夜だが、そのワクワクする気持ちと革命前夜の高揚感には共通するものがあるような気がする。「ずっと革命前夜に生きたい」という「革命前夜」の主人公は真の革命を目指している訳ではない。そこには実社会に背を向けたモラトリアムしかなく、ラムちゃんが「ずっとこの日が続けばいい」と願う気持ちに共通するものがあるように思えるのだ。
革命を不満のある日常から自らを解放し理想を実現する事とするならば、学園祭も一時的とは言え、日常から非日常への脱却であり、自分たちの思い描いた理想の催し物を実現する。革命前夜(あくまで前夜というのがポイント)を体験したことのない者にとっては、誰もが体験したであろう学園祭の前夜こそ擬似革命前夜に最も近い体験ではないだろうか。
私のようにラムちゃんしかいなかったというイデオロギーなき80年代の悲しき青春を送った者にとって、革命という甘美な言葉を冠したこの映画に体験することのなかった激動の青春時代に対する憧憬を感じずに入られない。
ちなみに最近では『恋人たちの失われた革命』も同系列。いささか美化しすぎのタイトルではあるが…。
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