すでに多くの人から言われているけど、後半、婚約者がどうでもよくなっているのが、納得できない。

婚約者を助けるためにタイムトラベルしたんだったら、そのために試行錯誤し、最後は結婚してハッピーエンドになるまでを観たいんだよ。未来なんていらない。過去で試行錯誤する様子を観たいのだ。まったく別の映画でやってほしかったなあ。

あの婚約者は、原作（とはいっても僕が読んだのは、子供向けの本）には登場しない。余計なものをくっつけたために、ストーリーがつまらなくなった。

前半は原作通りでよかったのだ。タイムマシンをつくって未来へ行く動機の説明なんていらない。タイムトラベルの理論を思い付いたから、実行したい。未来はどんな世界なのか知りたいから未来へ行く。それでじゅうぶんなのだ。それは別にマッド・サイエンティストではない。そういうもんでしょ、学者は。

こまかい点を言ったら、他にも出てくるな。まず、地球がほろんだ原因が、月が落下してきたから、というのがね……。新しいと言えば新しいんだが、やっぱり核戦争というのが、僕の好みには合うなあ。

それから、一怪獣ファンとしては、モーロックの出来栄えも不満。どうせなら、もっと徹底的にモンスターとして描いてほしかった。特にモーロックの頭脳となる奴は、モンスターとか未来人というより、ただのロックシンガーにしか見えんかったぞ。

ただ、タイムトラベルの映像はよかった。旧作のマネキンの表現は健在。そして、今回は、部屋が変わり、都市が変わり、映像は宇宙にまで飛び出してしまう。いやー、やっぱスケールのでかい映像っていいね。