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[コメント] ギャング・オブ・ニューヨーク(2002/米=独=伊=英=オランダ)

ディカプリオ・キャメロン…
芋虫

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







このキャストであの宣伝。どうも嫌な匂いがする。私の苦手なアノ映画のごとくなのって思ったら只券あってもあんまり観に行く気がしない。って言いながら監督がスコセッシってのも気になって。悩み悩んで結局観に行ったんだけどね。映画はいやいや良い意味で予想を裏切られたっていうかとにかく良かったなぁって印象。結構前に観たから細かい所忘れたけど。記憶にあるのは普通の映画のように各シークエンスには個々人の感情のぶつかり合いってもんがあってそこでは個人を描いているんだけど、シークエンスの最後になると、キャメラがどんどん後ろに引いて行って、そこまで下がるのかってくらいになって。そうすると今までディカプリオだったらディカプリオって分かるサイズで撮られていたのが、引きのサイズでNYの街を写すともう人は餌に群がる蟻みたいにぐちゃぐちゃして誰が誰だかわからなくなるの。で思ったのがあのNYのテロ事件。あの時、ニュースからは何千人の犠牲者が出たってことが伝えられたけどその数字にハッキリした実感が持てなかったの。誰々が殺されたとかだったらああそうなんだって分かるけど、数が多すぎて分かんない。死んだ人たちも何千人の中の一人で片付けていいのっていったらそうでもないでしょうで。ある程度情報が集まってきて「商社に勤めていた誰々さんはあの日どうのこうの・・・」ってドキュメンタリーを観たりするとちょっとほっとする。そんな個人のドキュメンタリーを観る事で何千人の犠牲たちのことを想像する。そうすることであの人たちは確かに存在してたと分かるから。ようは個人を描く事で群を描くってのかな。あのゆっくりと引いていくキャメラワークに、スコセッシはNYという街を描きたかったんだなと思い。ラストで昔のNYが今のNYに変わっていったとき、テロ事件のこともあってなんだか涙が溢れてくるのでありましたな。

(評価:★5)

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