話自体にトリックなんて何にも無く、仲間由紀恵 と阿部寛が作り出したキャラが生み出す空気こそが一番のトリックだ。

小学生の頃読んだ「君こそ名探偵！」みたいな謎解きの本に書いてあったトリックや、初級マジック程度のトリックしか使わないことから考えても、話で観客を惹きつけようだなんてこれっぽっちも思っちゃいないな。いい意味で。この二人に別の設定を与えたらもっとすごいものが出来るのかと思ったこともある。男と女のコンビ物では抜群の演出をする堤幸彦は「ケイゾク」でも名コンビを誕生させているが、ドラマ自体にも深いものが合って、役者としてはあまり遊べなかったと思う。ドラマを描こうとすればキャラは動き辛い。そこでこの得体の知れぬ大学教授と売れないマジシャンという設定が功を奏する。巨根だが素人童貞で、自信家だが小心者、でもいざとなると強くて、頼れる異様なヒーロー像を阿部寛は作り上げることが出来た。男が憧れる！？部分と実際に持っている部分を持ち合わせているので親近感が沸く。 仲間由紀恵も美人だけど貧乳、好きな事やっているけど貧乏、頭がいいかと思えば天然ボケで非情にバランスが良い。で、この二人のロマンスがまったく発展していかないのも非情に良い。このキャラだけで３シリーズも引っ張ってしまったのは凄い事だよ。

でも映画にする必要は無いっす(^^;