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[コメント] ワイルド・スピードX2(2003/米=独)

アクションの多さと、面白さが、見事に反比例してしまった失敗作。 2003年9月1日劇場鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まず思ったのが、この映画が無駄に長い事。2時間、と言う時間は映画尺の基本だが、この映画でこの内容の場合、2時間はあまりにも長すぎる。

アクションそのものの質は別として、「アクション映画」としての『ワイルドスピード』は確かに進化していたと思う。ノンストップで展開されるカーチェイス。冒頭の公道レースから最後のジャッキー・チェンばりの船ぶっ飛ばしまで。

例の如く脚本は見事な程、無視したと言わんばかりのメチャクチャな適当ぶり。ドラマ部分なんぞ皆無。勿論ストーリーもどこかで拾ってきた様な話。映画はアクションを見せるだけ。つーか、この映画って絵コンテだけで撮っただろ?

確かに、そのアクションは良いのだが、アクションだけを繋げたのであれば、それは映像テクの上手い監督なら誰だってできるのだろう。それに、どれほどテクがあったにしても、2時間と言う尺で中だるみさせずに”アクションのみ”で見せきるのは至難の技だ。

この映画は、アクションシーンが必要以上に長すぎ、そして必要以上に多すぎる。完全に中だるみ。ドラマが希薄。アクション無駄に多い。しかもそこからレーサーの心意気なんざ感じ取れない(つーか、冒頭を除いては「レーサー」でも「チンピラ」でもなくて「バディムービー@ポリス」な映画じゃん)

そして何よりも、前作にはあった「公道レース@ゼロヨンの一瞬に賭ける意地」が見えてこない。本作の監督はどーせ「車が見たいんだろ!?アクションみたいんだろ!?俺が見せてやるぜ!」って気分で撮ったのだろうけど、正直、そうじゃないんだよ。少なからず俺は。

サツにパクられるかと言う心配をしながら”一瞬”に賭ける。だけど、夜が終わればただのチンピラ。そんな野郎どものアホな夜が最高なんじゃないか(意味不明)

そういう「情熱」がこの映画には皆無。月並みの平凡なストーリー(なんでトランスポーターやってんだよ、このアホは)。しかもそれはあまりにも平凡すぎて、公道レースとはあまりに違いすぎる世界だった。

ワイルド・スピード』の醍醐味は公道レースだ。単純なカーチェイスを並べただけなら『ワイルドスピード』ではない。

今回はゼロヨンじゃなかったけど、あの橋を飛ぶシーンやら、映像的にカッコイイと思う物は何箇所かあった。しかし、前作のオープニングのゼロヨンレース開始直前の雰囲気。夜景と車のライト。鼓膜を突き破る爆音。マフラーからぶっ飛ぶ炎と観客のアドレナリンが最高潮に達した時から始まる、限界を超えたギリギリの公道レース。

そしてその”一瞬”に賭けるチンピラの意地とプライド(と、無理して払う札束)がカッコイイんじゃないか。

へたれ野郎が「俺たち殺されちゃうよぉ〜」「過去が帳消しになるぜ!」とかほざきながらトランスポーターやってるだけのB級映画(しかもドラマは皆無)じゃ興奮なんてできませんよ。

「”ただの”カーアクション映画」やりたきゃ他でやれ。『ワイルド・スピード』はこんな根性の腐ったB級映画ではない。

それから、あの警察から支給されたランサー。正直ダサいと思うよ、あれは。つーか黄色のランサーって事はジャッキー・チェンへのオマージュか?(絶対違(『デッドヒート』でジャッキーは黄色のランサー乗ってました。事故って燃えてGTOに乗り換えましたが)

それからエンドクレジットのCG。ダサいよ、本当に。映画がつまんなくて無駄に長くていい加減ケツ痛いのに、さらにダサいの出されて困っちゃった。某ゲーム「グラ○ツーリスモ」の映像の方がカッコイイんと違うか?

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ホッチkiss[*] Ryu-Zen[*]

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