コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] クジラの島の少女(2002/ニュージーランド=独)

伝統継承と人情をうまく繋げてハリウッドにはないセンシティブな温かみが感じられた。
ざいあす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ファンタジックな手のひらサイズの温かい映画だった。

やはり孫娘と祖父の二人の演技だけで十分惹きつけられた。島の豊かな自然が垣間見えるのも良かった。

ただ細かいこと言うと、前半活き活きしていた孫娘が後半はどんどん鬱々した感じ になり、知性や感性はあってもリーダーとなる統率力やパワーが感じられなかったのが残念。絶えず祖父の顔色見てイジイジしてるかんじ。リーダー不在で存続の危機に立たされている窮状ではいかにも頼りない。棒術なんか全然強そうに見えないし。学校で男勝りに皆を率いて遊ぶとことか、もっとヤンチャな部分を入れて欲しかった。

それと、終盤の強引なファンタジーだけど、これも説明不足で、前半でクジラや海とマオリ族との繋がり・言い伝えを洋上での孫子の語らいなどで入れておくべきだったと思う。 ラストは長男夫婦も戻って八方丸く収まるハッピーエンドだったけど、とにかく陽光あふれる海に船出していく絵がいままでの欝な空気を吹き飛ばしてくれたので良しとします。

いつもハリウッド映画では凶悪犯やテロリストのイメージだったクリフ・カーティスが、今回はすっかりなじんで温かみのある演技を見せ、居心地よさげだったのが印象的。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。