[コメント] ファインディング・ニモ(2003/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ピクサーの根本に常にあるのは「生命」と「愛情」への力強い賛歌である。 この映画でもそれは十分に歌われている。 「生きているのっていいな」「誰かを愛するのはステキだな」と純粋に思わせてくれるので、我が家は親子一丸となってピクサー作品の大ファンである。
今回はその舞台を大海原に移して、アメイジングなドキドキする仕掛けも盛り沢山。 レイドバックなサーファーで男気溢れるウミガメさんや三歩歩くと(泳ぐと?)すぐに忘れる忘れん坊のドリー、断酒会ならぬ断魚会を結成している鮫さんたち。 どうしようもない食い気だらけのカモメの群れや悪い人じゃないんだけど、ちょっと困る歯科医の先生などなど、キャラクターも豪華絢爛。
親から見れば、我が子というのはいつまでたっても多少足りないところがあるように思えて、ついつい親は先回りして、いらぬ心配で子供をスポイルしがち。 しかし、そんな事にもお構いなしに、子供は自身の力で輝き、道を開く。
子供を育てているといつもその姿に感動させられながらも、ついつい忘れがちになってしまうそんな「本当の事」を楽しく笑いながら見せてしまうこの監督(というか、ピクサーとしての姿勢)の手腕には常に感心させられる。
子供を育てた事のある人には胸に響く作品。 「子供を育てるのって良いなあ」と改めて思わせてくれる。 この監督は家庭人としても本格派(?)なのであろう。勿論、ダイバーとしても。
それと、同時上映でピクサー社最初期の短編アニメもあったのだが、ココでもピクサーのデザインセンスの足腰の強さを思い知った。 当時としては(1980年代半ばの制作か?)誰も注目していなかったミッドセンチュリー風のデザインで統一された世界。
常にこのピクサー社のオープニングやエンディングのセンスの良さ(画面上のデザインの構成や色、音楽の入れ方)には「ソール・バスみたい」と常に感心させられていたのだが、やはり、このセンスの良さは付け焼き刃のものではなかったのだ。 「センスがいい人は昔からセンスが良いのよね」 そんな「普通にアタリマエの事」にも改めて気づかされた。
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