[コメント] 愛と精霊の家(1993/独=デンマーク=ポルトガル)
メリル・ストリープは力を持つゆえに、つねに受け身に廻る。夫や娘が、彼女の持たない「肉体的な」力を持って闘い、へこたれそうになる時、彼女はただ慰めの言葉を、指針となる言葉をかける。それが家族たちの「精神的な」力を呼び起こす。
南米に舞台をおいたのは、魔術的リアリズムの本場であるからか、また政権の不安定な場であるからか。
栄枯盛衰は四季の如くめぐり、この世にある人間たちはそれに例外なく翻弄される。どこか別の世にあるものと通じる女だけが、強い意志をもってそれに立ち向かう。そして彼女によって家は癒される。
彼女の愛した男が、誇っていた若さと力とをだんだんに失ってゆくのをいとおしむように。
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