まず展開が速すぎる。もう少し「間」が欲しかった。まあ、あの子供が怪しいとは思っていたが（再審理を受けていたスキンヘッドの太った男があの子供で、過去を振り返った映像を流しているのではと予想していたが）。この辺まではどうなることかと惹きつけられたが、脳内サスペンスだとﾈﾀﾊﾞﾚされた後は一気にボルテージが下がる。さあ「子供でてくるぞ」みたいなかんじで。アイデアとしては面白いが、一発勝負タイプでリピート鑑賞に耐えうる作品じゃないな。そこが似たようなオチを持ってくる「ファム・ファタール」との違いだ｡むこうは夢オチであることのヒントが散りばめられているが、こっちは何もなく、ただ「こいつが怪しいぞ」くらいの見せ方で、いきなり「はい、多重人格でした」と。