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[コメント] カルマ(2002/香港)

予告編などで『リング』の二番煎じのような宣伝をされていたが、内容は全く別物。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







昔自殺した少女の幽霊に苦しめられる精神科医の映画。

予告編などで『リング』の二番煎じのような宣伝をされていたが、内容は全く別物。前半で幽霊を見るという女性ヤンのエピソードが実は過去に両親の離婚によるトラウマが原因になっていて、精神科医のジムがそのトラウマを取り除く治療を行うことによって、ヤンが精神的苦痛から解放されていくところはやや予定調和な印象はあるものの、そこそこ面白い。

そして後半、逆転して今まで過去のトラウマを塞ぎこむことで平常心を保っていた精神科医ジムが過去に自殺した少女のトラウマから少女の幽霊という幻覚に苦しめられる展開は対称的な描かれ方で、ヤンのエピソードの回想だと思われていたシーンが実はジムのエピソードの回想シーンだったところなど、前半の伏線を後半のどんでん返しとして持ってきているところはなかなか上手い。

ラストも日本のホラー映画なら不条理でブラックなオチによく走るが、この作品はジムが自分からトラウマに立ち向かって精神的苦痛から解放される展開なのも従来のホラー映画からの脱却が感じられ感心する。

ただ、恐怖映画として観た場合、従来の香港映画らしいおふざけ度合いが高く、やや誇張すぎるコミカルな演出が災いし、ジムの見る幽霊が本物なのか幻想なのかという恐怖感と緊張感に欠けてしまっていて、ラストのどんでん返し的な展開があまり意外になっていないのが残念。

それと自殺した少女の両親が偶然ジムがいた店の前を通りがかるというのも偶然性が強すぎるし、両親が少女を死に追いやったジムを未だに恨んでいるのはわかるが、数十年も前の出来事なのに、外で偶然ジムがいるのを自分から発見して、突然血相を変えて店に入ってジムに立てつくのはいくらなんでも強引過ぎる。かなり昔の出来事なわけだし、普通なら昔の事故を記憶を思い出させるような存在であるジムに関わろうとせずに知らんふりして通り過ごすと思うのだが。

(評価:★3)

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