[コメント] ベッカムに恋して(2002/英=独)
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話のネタくらいになるかな、と思って面白半分で観たんですが…。ヤバイ!めちゃくちゃ面白かったんですが、この映画!
いきなり話がそれますが、私は何でも心得顔で子供に接し、まるで理解ある人間のように振舞う親が大嫌いです。「お前の人生なんだからお前の好きなように生きなさい」こんな言葉、大嫌い!これってある意味子育て放棄だと思うのです。ある程度子供の行く先を照らし、導いてゆくのが親の役目なんではないの?だから理解ある親を演じている人間が嫌いなのです。
話を映画に戻して、この映画。なんとも言えない素晴らしい家族!嘘つきまくって男と遊んだり好きな事して人生を謳歌している娘たち。お互いの嘘がバレないように協力する姉妹。それを知ってはいてもある程度黙認しつつ、叱るべきところはしっかり叱る両親。胸が熱くなるよチキショー。昨今では物分りがいいフリをして子供と本音で接する事を避ける親が増えている中、こんなにも本音で、そして過激にぶつかり合う家族を観ていて、なんとも気分爽快。家族関係ってこうあるべきだよね、やっぱ。親は子供から煙たがられる存在でなければいけないし、子供に嫌われるのを恐れちゃだめだよな。子供には絶対心をオープンにして、言いたい事はしっかり言わなきゃ!時折、本当ウルセーとその存在がウザくも感じるこのかあさん。アンタ本当に最高だよ!だからこんな真っ直ぐで正直な娘に育ったんだよ(親に嘘つくのは子供の習性だもん、仕方ないさ)。最後には娘も本音でぶつかってくるし、それを避けない・恐れない。それは単に親の育て方の賜物なんではないでしょうか。
私が親になった時、このかあさん、そして自分のマミーのように子供には本音で接する事の出来る親になりたいな、と素直にそう思えました。お互いぶつかる事を恐れずに本音で接するこの親子、観ていて本当に清々しかった!
それからコーチも常に体当たり。タテマエで会話する事なく、誰にたいしても常に本音でぶつかっていくその姿勢がこりゃまた清々しい。ヴィジュアルも清々しい☆そう考えるとこの映画、タテマエが全くないんだね。だから普通ならうるさくて煩わしくなりがちなテーマでもこんなに印象がいい。物分り良さげな親が、それなのに子供から心を開いてもらえない、そして口うるさい親が、それでも子供に嫌われない、ソレに似ているね。
そして蛇足になってしまうけど、「ベッカム(のヴィジュアル)に恋して」いる訳ではなく、「ベッカム(のサッカープレイ)に恋して」いるところが本当に良かった!何かと物議をかもし出しそうなタイトルではあるけれど、私はこれはこれでいいかな、なんて。観終わった後だから言える事ですけど。
もう一つ蛇足。音楽にカーティスメイフィールド使うなんてファンキーすぎる!サイコー!(ガッツ)
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