時代劇を期待すると肩すかしを食らうかもしれないが、冒険活劇という意味では十分に楽しめる。ついでにSFファンタジーのおまけ付き。この辺が合うか合わないかで評価は大きく変わりそうだが、自分はかなり好き。

吹雪丸というキャラクターはもちろん、雲黒斎＝ヒエール・ジョコマンをはじめとする敵キャラクターも魅力的。『オトナ帝国』などと比べると、分かりやすい悪役ではあるが。

現代パートに戻ってからの展開が蛇足だという向きもあるが、逆にそれがなければ盛り上がりに欠け、凡作に終わってしまったような気がする。確かにすっきりとは終わるが「え？これで終わり？」感が否めないというか。

いずれにせよ、これが本郷監督の持ち味な訳で、原監督とはまた違った良さなのだと思う。

（追記） 本作に出てくる「リング・スノーストーム」というキャラクターは「吹雪丸」を英語に直したというだけではなく、藤子・F・不二雄の「T・Pぼん」に出てくる「リーム・ストリーム」というキャラクターをモデルにしているようです。アニメ版の声優が同じ（佐久間レイ）ことからも間違いないかと。