[コメント] 運命の女(2002/米=独)
映像はスタイリッシュかつ詩的で響くのだけれど脚本は微妙。先が読めてしまうシーンもあるし、リアリティを欠くシーンも多々あり。ただ雰囲気はあるので、気分転換にペーパーバックを読む感覚で気楽に観るなら、有り。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ダイアン・レインが美しい。観客としてはスクリーンに美女が現れるのは嬉しいのだが、狙いたいコンセプトの平凡な主婦像には到底見えず。浮気しても、この美貌なら彼女に罪は無いわな、腑甲斐無い夫のギアに問題がある!とさえ思ってしまうので、設定なりキャスティングのミス。登場人物たちが華やかで不倫と殺人だけがテーマなら下手するとハーレクイン系の香りも出ちゃうし。ただ同じエロティック・サスペンスなら『キリング・ミー・ソフトリー』よりも映像に文学性がある。古いマンションや、効果的に使われる風は印象に残る。オスカーノミネートされたレインの演技は器用だけれど『氷の微笑』のシャロン程の存在感は無く、盛大なセックスシーンへの評価と思われる。それにしても、あのダイナーのトイレでのシーンは頑張り過ぎ。音で周囲にバレるだろうし、ふたりが盛り上がり過ぎて観てて笑ってしまった。センシュアルな演出って頑張り過ぎると笑いにつながる…。そんな奇異な演出を挟みながらもラストまで観られたのは、冒頭で述べたように全体のトーンに雰囲気があるのと、ギアの抑えた演技。それに息子役の子役(サリバン)のハリウッド擦れしていない素朴な演技のバランス。これらがB級メロドラマ調になるのをギリギリで支えた。にしても、レインが夫より浮気相手(マルティネス)と並ぶ方が絵になるってのも問題あるなぁ。
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