このお話、実は筋としては初期のジャッキー出演作の基本的な流れを踏襲している。「最初ボンクラの主人公、師匠が非業の死を遂げるもその後の訓練によって強くなって敵討ちを果たす」という流れ。確かにもうジャッキーも若くないから、「訓練して強くなる」いうお話には無理があると思う。そこをカバーするという意味ではこの脚本はよく考えたなと思う。

ところがその後がいただけない。作品は終始タキシードの機能を見せるだけのお遊びになってしまい、ストーリーの芯はぼやけ、肝心のジャッキーは全く活かされることはない。

怒りを通り越して悲しかったのは、ジャッキーのアクションにＣＧを重ねたこと。そんな事しなくても十分凄いのに、いやそもそも凄いアクションが素で出来るからジャッキーをキャスティングしたんじゃないの？そんな小賢しいＣＧで誤魔化そうとするなら最初から若手の白人とか使えばいいじゃん。

一本釣りした見事な鰹をレストランに持って行って料理して貰ったら、アメリカ人シェフにマヨネーズたっぷりのツナサラダにされて持ってこられた気分の★２つ。