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[コメント] シャーロット・グレイ(2001/英=独=豪)

「戦争が始まった」。この冒頭がなかなか気に入って、2回ほど観た。戦争が始まったと実感するのはどんな状況なんだろう。
kazby

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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気になるキーワードはいくつも出てきたと思えるのに、それが映画らしく成功したのは、唯一、命がけでかちとった「希望」だったと思う。

それまでは、なんだか、お調子者のような感じのするドミニク(=シャーロット)(ケイト・ブランシェット)が、「僕にできることは生き延びることだ!」といって日和るジュリアン(ビリー・クラダップ)に対して、「なにかできることがあるはずよ!」と言い、追われながらも、ラバド氏(マイケル・ガンボン)の家へ舞い戻る。命がけでタイプを打ち、駅へむかった。子ども達の名を叫び、貨車の外板の隙間から手渡した手紙。「ママからの手紙よ」。なぜか涙があふれた。「闘う」ってことの本質ってこんなことなんじゃないかと思った。「ひとは家族のために闘うもんだ」ってラバド氏が言ったことがあったけれど、それってこういうことなんじゃないかと、ふと思った。

工作員に志願した民間人シャーロット・グレイの戦争体験を効果的に演出するために、戦争、ユダヤ人狩り、共産主義者、悪者ドイツ軍、秘密工作員、レジスタンス etc. これらはみな置き物として配置されたにすぎないのかと思ってしまう。そんなふうに感じるほど、ケイト・ブランシェットがフォーカスされているということなのか。彼女の魅力を見せるためにこの映画は撮られたのだと思う。

(評価:★3)

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