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[コメント] トランスポーター(2002/仏=米)

設定・導入部がピーク。その後の強引なドラマ展開がBADなアクションムービー
junojuna

 やはり、リュック・ベッソンであることがこの映画を良くも悪くも枷を生んでいることとなっている。導入部のシーン演出など、スタイリッシュでスリリングな描写はスクリーンに視線を釘づけにする類まれな力があり、また、ジェイソン・ステイサムの端正な演技も相まって、ひじょうにハイポジションかつエッジの利いたオープニングであったが、なんとこの時点がピークとして以降急降下という世にも哀れな尻すぼみ映画となった。明らかに、「トランクに少女」は奇を衒い過ぎているし、非情なはずの主人公に寄り添う形となる「男女道行もの」は出来すぎで、どうにも中国人という配役を時代錯誤にも欧米コンプレックスのステレオタイプとして描くあたり、ベッソン脳はよっぽど「論理思考」なのだなと思った。彼の映画作りは「計算」によって実る「工事」なのだということがよくわかる。エッセンスとしてアートっぽいものを取り込む小賢しさも持ち合わせているため、客を煙に巻くのに長けている。よろしい、この路線をフランス代表として独走しよう。

(評価:★2)

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