[コメント] 信子(1940/日)
生徒の素行不良や悪戯が小学校低学年レベルに思えたが、その「問題」を真剣に取り上げていることはわかる。
例えば東京の人間が地方出身者の訛りを馬鹿にしてやろうと思うのと、地方出身者が東京の人間から訛りを馬鹿にされたと思うのでは、その思うポイントも、それぞれの感じる度合いも異なるのじゃないか。この映画では、そういう感覚が共有されているというか、人間の思考や行動が単一の物の見方から型枠にはめられているように思える部分が多々ある。そういうところにどうも違和感を感じるわけだが、しかし、悪意でやってるわけではなさそうだし、まあ、目くじら立てるほどでもないか、とも感じる。そういう感情のせめぎ合いの結果ついた点がこれ。
75/100。
退屈を感じなかったとは言えないが、嫌いであるとも言い切れない、ちゅう感じ。
良かったところを挙げると、女学生たちが集まったときの、いかにも初々しい乙女たち、という感じがよく出ているところ。映像として見事に表現された、同級生を探すときの呼び声が、森のこずえの間をくぐり抜けて空へ昇っていく清涼感、など。それと、『戸田家の兄妹』で和服の似合う控え目な日本女性、にしか見えなかった高峰三枝子 が洋装で、颯爽として自立したカッコイイ女性に見えたことも。
(07/07/30記)
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