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[コメント] ベティ・ペイジ(2005/米)

彼女の存在を知らない者には、不向きな作りの作品ではないか。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 つまり彼女のセンセーションを、せめて間接的にでも知る者でないと。

 男として申し上げると、このセンセーションとは「こんなイイ女がこんな(あられもない/みだらな/はずかしい/ふしだらな/・・・キリガナイ)格好を」という感覚。彼女以前、あるいは当時のアメリカの<相場観>を知るすべがないので、センセーションを共有しようがないのだな。もっともセンセーションといっても、音楽や小説やTV番組や、新聞等メディアで繰り返し報道される事件・事故などと違って、極めて個人的で秘められた体験なので、映像表現として共有させることが難しかったのだろうとは言える。

 彼女の人生の諸エピソードを垂直に積み上げただけのこの映画からわかることは、彼女は、現代日本の流行り言葉風に言うところの「周囲の空気を読むことに長けている」という意味で頭の良い女性だったのだろうこと。相手の求めることを察して、持ち前の素直さでもって、彼女の甘受できる範囲で行動しただけだろうこと(夫の暴力やレイプまがいは無論除外)。おそらく、成績優秀な彼女は自分の可能性を信じていただろうが、なにがなんでもという強い自我を持つ人ではなかったのではないか。これが一人の男をとことん愛し抜くてな女性だったりすると、ドラマにしやすい素材ということになるのだろうが。

 例えば(例えばですよ)、≪彼女の一生は、つねに一匹の蝶を追い求めていたのだ≫てなフィクションが、映画作りにおいては必要なんじゃないかと思うわけです。

65/100(08/04/28見)

(評価:★2)

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