これのどこがシリーズ最高傑作（映画館からもらったチラシにそう書いてあった）なのかわかりません。叩っ斬りたいですほんとに。悪役･駒井（諸角啓二郎）が愚連隊上がりという割りに貫禄十分で魅力的なのはいいとして、少しも悪いことなどしてないですね。普通の任侠映画は、反撃したくても反撃できない「大義名分」（熱田大神宮大祭の花会とか、上野の万国博覧会とか）があるのですが、この作品にはそれがない。ゆえにただ私怨を晴らしに（殴り込みに）行くようにしか見えませんでした。これではいくら殴り込みと言ってもカタルシスに欠けます。

健さんもヤクザを辞めたいんだかやりたいんだかはっきりしないので腹が立ちます。だいたいノコノコ実家に戻って来てるのがおかしいと思います。世間の冷たい風の下で修行し直してこいと言いたいです。恋愛部分も因果の描写もなおざりのまま、マキノ一家の内輪受け的薄気味悪いコラボレーションで隙間を埋められた日には、寒々しくって鼻水が出てくるというものです。胸のすくよな綺麗な絵がときたま見られるのと、やっぱり殴り込みシーンは見せるのでオマケ＋5点。

65／100（03/01/18見）