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[コメント] あぶない刑事(1987/日)

軽薄で浮ついた、バブル街道まっしぐらの当時の日本の姿がありあり。正直言って、くすぐったい。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







オヤジギャグ的な下ネタ満載なのにも驚き。浅野温子を送り出すシーンで、舘ひろしが浅野のお尻をポンと叩く。確かにありがちだが、今じゃ考えられんシーンだ。というか、あの浅野温子が舘ひろしにお尻叩かれても、何も言い返せなかったんだなぁという感慨を持つ(むろん台本がそうなっているからだが・・・)。バブルって、オヤジの時代だったんだな・・・。

『あぶない刑事』シリーズってあまり見たことない。柴田恭兵が、年のわりに老けて見える顔つき(実年齢知らない)で爺臭く、剃り跡も青々として、ヒョロヒョロに痩せていて、ちょっとキモチ悪かった。かっこいい兄貴分的な存在として見ていた時期もあったと記憶しているので、いつ頃からそう思えなくなったのか忘れてしまったが、少し意外だった。舘はそれなりに渋い。

とある製薬会社の株を大量に保有する人物が、株価を吊り上げるため、傭兵を雇ってライバル会社の研究所を襲い、新薬の研究データを破壊する。話そのものが軽薄だが、この経済に関する無頓着さというか経済観念の無さは、バブルという狂奔のマネーゲームからは一線を画している証しだろう。しかしこの無頓着さがまた軽薄を生んでしまっているので、どうにもしょうがない。

例えば、こんな遣り取り。犯人に仕掛けられた地雷を、離れたところから爆破させるシーン。

ユージ:(俺が死んで)たくさんの女を泣かせるわけにいかないでしょ。

タカ:借金取りとか?

ユージ:おふくろに姉ちゃんに妹にいとこにはとこ!

・・・会話の遊戯としては陳腐極まりないセンスであるが、こういうシチュエーションで会話の遊戯をする、という面白さはあったのかもしれない。

あと、ビシッとしたスーツに身を包んだ野郎どもが疾走するかっこよさ、というものがあったのかなあ。二人とも背は高い。

65/100

(評価:★2)

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