コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 僕たちのアナ・バナナ(2000/米)

自分が監督する作品で、ここまで自分の演じるキャラを突き放すことが出来るエドワード・ノートンて凄い奴だな!尊敬してしまう。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







“われらは、われらを愛する者を愛し、われらを愛さない者をも、いつか愛してくれる日が来ると信じて愛し、それでも愛してくれない者は、神様に足の骨を折られてしまえ”

砂漠で生まれた宗教(ユダヤ、キリスト、イスラム)の価値観を共有しない我々(大半の日本人)には、ときどきお目にかかる信仰をテーマにした映画群は、正直言って苦手なジャンルだ。だがこの作品は、我々にも届く言葉で語りかけてくる。

曰く、宗教は信者を集めなければいけないのだということ、そのためには彼らに届く言葉で語らなければならないのだということ、それには彼らの信仰の前に誠実でなければいけないのだということ、そのためには自らの信仰を揺るぎないものにしておくこと、それでも時には揺らぐことがあるということ。そのとき、一人は宗教を捨てる決意をし、一人は刹那的な快楽と宗教はまったく別物だという判断を示した・・・。

だがむしろ、届く言葉で語られるが故に、この映画は我々を不安にさせる。なにか一途な信仰心を持たない人間は、見下げられた存在なのではなかろうか? 日本にいるとそんなことは感じないが、(彼らの)世界に行くとそんな風に見られるのではないだろうか・・・? いや我々には我々の立場がある、と腹の底では感じているが、うまく言葉で説明することが出来ない(誰か頼むよ!)。一つ言えるのは、ラスト「改宗」といういかにも(欧米の)観客を安心させるオチを持ってくる(私には蛇足に思えた)あたり、やっぱり彼らも不安なのだろう。しょせん映画は楽しませるために作られているのであり、楽しめるものが楽しめばいいのである。

製作サイドの楽しませる力量は認めるが、残念ながら私には(すべてをは)楽しめなかった。

75/100(01/06/03見)

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。