だからこれコメディだろ。間合いの取り方とか対象の見せ方とか、ホラーとコメディって通ずるものがあるのかもしれないけど、この作品は確実に笑いの方を取りにいってるだろう。だって水に弱い宇宙人とかって明らかに設定が変だし、思考を読まれないためにアルミキャップを被るってだけでもトンデルのに、あんなとんがり帽子にする必要は微塵もないし。しかも肝心な場面で被るの忘れてるしそれなのに宇宙人に思考を読まれてないんだから結局ガセだったわけだし。ラスト近くの対決シーンでも棚の上にあったコップから水が宇宙人にかかるんだけど、こんときの視点が”被害者”宇宙人から見た視点なんだよ。ホラー映画にこんな視点は必要ないよ。水量もコップの中にあったとは思えないほど豊富だったしね。死んだ母ちゃんの最後の言葉も「見て。打って」ってお笑い番組のコントじゃないんだから・・・。きりがない。

　あたかもこの映画がコメディではないふりして、シャマランの込めたメッセージとか９１１以降アメリカ社会との相似性なんかを鹿爪らしく論じるのが”大人の楽しみ方”なのかもしれないけど、私ゃ子供みたいに大喜びした口だから正直に書くよ。この映画はコメディ。ただ宗教上のディテールに通じてればもう少し楽しめたんだろうけど、いまいちピンと来ないところも多々あった。私にとって、笑えるコメディとしての点数はこんなもんです。

75／100（04/12/19記）