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[コメント] フォーン・ブース(2002/米)

物語を積み上げていく構成力の緻密さは凄い。でも好き嫌いで言うともう一捻り必要。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ネタバレから。世の中に大きな悪が成敗もされずはびこっているのは事実。しかし、小さくとも正義の果たされる事例も普通にたくさんある。したがって映画はどちらの立場をとってもいいわけではあるが、僕の好みでは映画には後者の立場をとってほしい。特に、超人的な人物の想定は愚かしい妄想でしかないのに、それを悪の側に位置づけるのは愚の骨頂、と言って悪ければ悪趣味だとしか思えない。ステュー(コリン・ファレル)が最後にたどり着いた誠実さが、効力を発揮する物語でないとダメである。

 もう一つは、ステューがもともと持つ誠実さ、みたいな描写のところ。下心を持つ対象に電話を掛けるときだけ街の公衆電話を使う(自分の携帯に履歴を残さない)とか、その際、誰に見られているわけでもないのに結婚指輪を外す、といった描写ね。だってこんな男は、その対象(パム=ケイティ・ホームズ)に会うときは当然指輪は外していたはず(独身だと偽っていた訳だからね)で、その隠し場所も常に決めていたはずなのだ。指輪なんて小さな物だし、どこに隠したか分かんなくなったりしたらそれこそ大変なんだから(結婚指輪だからな)。つまり、指輪なんて彼女に会うときだけ隠せばいいと思っていたに違いないのだ。もう少し「あるある感」ある描写を工夫できなかったものか。あるいは、そんな描写は不要で、それでも誠実さにたどり着いて良かったかも。嫌いだから嫌いだと言っている気もします。すみません。まあいっか。

65/100(22/8/21記)

(評価:★3)

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