要は「俺たちはこんなすげえフワフワができるんだぜー」って言いたいだけなんでは。そんなに技術が高等だと言うならほんの小さな端役にもその技術を集結させるべきだと思うし、ごく些細なところにこだわってこその映画作りであると思う。

それをやらないのは「技術は見せつけたい」、でも「金と時間は極力かけたくない」という自己顕示欲と企業としては当然の利益算段が入り混じって、結局お決まりの商業主義に収束してしまったからだろうな。

芸術と技術と企業利益の折り合いなんて一生決着を見ないと思うし、そういうどうしようもないことに対して未だに怒れる自分は青い、の一言に尽きるのでしょうが、例えば、宮崎駿がほんの一瞬横切るだけの横顔に試行錯誤するのを考えると、小さいのにか、小さいからこそなのか、その小さい存在に対する細やかな愛情とかを作り方に感じるのです。

『千と千尋』はそこまで好みではないけれど、同じモンスターの群れなら「神様達」の方が「望まれて生まれた」気がするのだ。