以前こんな記事を読んだことがある。

むかし「いすず　ジェミニ」が超絶カーアクロバットを繰り広げるＴＶＣＭのシリーズがあって、その内のひとつに、ジェミニが、パリの地下鉄駅入口からホームに降りていって、ホームを走り抜け、また出口から出てくるというのがあった。シリーズのポリシーなのか、一切ＣＧやセットをつかわずに撮影していたらしいのだが、車体がどうしてもホームに入れられなく、そこだけは泣く泣くセット撮影にするかと考えていたところ、当局から「壁に穴をあけてそこから入れればいいんじゃないか」と言われたらしい。駅（もちろん現役）の壁に穴なんてあけていいのか？といぶかると、「だって入らないんでしょ？」と切り返されたらしい。で、あけた穴から車をいれて、撮影後にまた壁の穴を埋めたということだ。

何が優先されるのか、考え方の基準が日本人とまったく違っているのが面白い。そんなアートな国から来た監督さん、さぞややりたいことがやれなくて残念だったんじゃないのかな？　繁華街のロケなどこれでもがんばったほうだと思ったけど、結局ただの書き割りにしかなってないもんねえ･･･。小粒な仕上がりになってしまったとしても仕方なかったかも。