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[コメント] キス★キス★バン★バン(2000/英)

キャラ設定はよかったのにラストはあまりキャラを生かしきれていなかった。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







衰えを感じた殺し屋が新しい仕事して始めたベビーシッターで世話をする事になった精神が子供の男との出会いを描いた映画。

クリス・ペン演じるババの大人になるまで外の世界を知らないで、あるきっかけで外の世界に飛び出し色々なことでジェネレーション・ギャップを感じてしまうキャラはブレンダン・フレイザー主演の『タイムトラベラー』と似ているが、この映画はババのジェネレーション・ギャップが埋まってもキャラの魅力を減少することなく子供から大人へ成長する転換にように丁寧に描いている点が素晴らしい。しかもその成長もジェネレーション・ギャップが埋まるに連れて単に大人の男になるのでなく少年期、思春期のような性行為に関し敏感な年頃の子供のような精神状態を踏まえた成長経過として描いているところが凝っていて興味深い。この辺は『タイムトラベラー』も見習ってほしいところ。

終盤でババが主人公のフィリックスに会いにいく決心をし、親のいう事に逆らって一人でフィリックスの居る所へ行くところはクリス・ペンの演技の上手さもあって感動的。演技も大柄の体つきながら子供のような仕草が巧みに表現されていて見事という他なし。ジミー役ポール・ベタニーも大活躍の演技だった。

ただ一癖二癖ありそうなコメディ的キャラの割に内容は結構シビアな話で映画自体にはあまり笑えるようなシーンはなくどちらかというと感動ドラマのような作り。

しかし、ババのキャラを生かそうという気があるなら、あのラストはちょっと納得がいかなかった。ババの成長を体感していく事によりフィリックスも成長を遂げるのだがラストのオチだとババがなんだか過去の良い人で終わってしまう感じでもったいない。ジミーもせっかく終盤までサポート役として良い味出していたのにあまりキャラに広がりがなかった。『クライム&ダイヤモンド』のラストのような使い方だったらラストももっと印象がよくなったと思うだけに残念。

その辺はこの2人のキャラを道化にしないでもっとストーリーの中心としてラストまで引っ張ってほしかった。シェリー役ジャクリーン・マッケンジーのキャラを生かそうと思って作られたラストだと思うのだが、この映画ではあまり意味がなかった気がする。

総評として終盤までの物語の持っていき方は素晴らしかったが、ラストのキャラの使い方が間違っている気がしてならない。

(評価:★3)

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