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[コメント] キャプテン・スーパーマーケット(1993/米)

ブルース・キャンベルの暴走ぶりがジム・キャリーばりの笑いを取っていてなかなか面白かった。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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現代・邦題共に違うが『死霊のはらわた』シリーズの3作目。今回は西暦400年代のローマ帝国を舞台に死霊と戦うアッシュの姿が描かれている。

2作目同様、前作のオチから継続したストーリー展開を描いて整合性を取っているところは素晴らしい。また今回は過去の2作を見ていない人のために説明として新たに前作のシーンを再現しているところも親切で好感が持てる。

ある種シリーズの総決算という感じでスケールで見れば一番デカイ。恐怖演出やアクション演出など映画の世界観はほとんど60〜70年代の冒険アクションファンタジー映画という感じでショックシーンは一応あるものの恐怖感は皆無。また今回は完全にコメディ路線狙いのギャグ演出も多々あり、ある意味前作までのダイナミックなショックシーンを期待する人には期待はずれかもしれない。

しかし、アクションシーンはかなりかっこいい。特にアッシュの格闘アクションは見せ方の巧さもあるがブルース・キャンベルのアクション自体も動きにキレがあり実に楽しめる。また火薬付き矢という今までありそうでなかったアイデアも斬新。それと城に死霊軍団を攻め入り窮地に立たされたと思ったら、アッシュが自車を改造した装甲車で死霊軍団を倒しまくるシーンも痛快で面白かった。前半の死霊との格闘戦も良かった。

ただ不満な点も多い。例えば最終的にはアッシュがアーサー率いるローマ軍と団結して死霊軍団と戦う展開なのなら、ローマ軍兵がアッシュを信頼する場面をもっと描いて欲しいところ。前半でアッシュがローマ軍兵に頼りにされているのような描写はあるが正直、アッシュそのもののキャラ描写には頼りがいになるのような雰囲気が感じられない。自分勝手に行動しあげくに自分のせいで死霊を復活させ、シーラが死霊に誘拐されるまではローマ帝国を守ろうとする素振りも見せずに兵や住民からの信頼を失っているのに、アッシュの言葉で兵がアッシュを支持しアッシュに兵の指揮を取らせるほどの信頼性が取り戻せるのか疑問に感じてしまう。どうせなら前半でアッシュの善の部分のキャラを描いて欲しかった。

後、ヒロインのシーラにしても死霊に誘拐され怪物化させられるのならもっと前半でアッシュとの親密な関係を描いて欲しかった。おかげでアッシュが怪物化したシーラと戦うところや、ラストでの別れにしても1作目のような悲壮感が感じられなかった。それと死霊に乗り移られて怪物化していたシーラがなぜ元に戻れたのかも描いて欲しかった。

特撮時代は古くささはあるもののそれがユニークな印象を与えていて悪くない。人間に死霊が乗り移り怪物化する原理が不鮮明なところは確立されていて今回はあまり気にはならなくなった。

ストーリーやキャラ描写では今までのシリーズに比べるとやや劣る印象だが、初めから死霊軍団とアッシュやローマ軍との命を懸けた死闘を描いたコメディアクション映画と割り切れば出来は悪くない。

役者としてはアッシュ役のブルース・キャンベルの1人芝居やコメディ演技でのギャグセンスぶりにかなり拍車がかかり、小人アッシュとの小競り合いなどのコメディシーンでは『マスク』のジム・キャリーばりの笑いを取っていてなかなか面白かった。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)茅ヶ崎まゆ子

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