過去と未来を行き交い､失われた記憶と事件の真相を探ろうとする男のサスペンス映画｡ストーリー的には『オープン･ユア･アイズ』に近い印象｡

この映画で面白いところは2000年と2002年の同じ日を無意識に行き交っている点｡どちらかが夢なのか､それとも過去や未来を行き交う能力を身につけたのか､主人公自身にもわからないまま､話が進んでいくところはなかなか緊迫感があってよかった｡

しかし､中盤付近で明らかになる事件の真相が､兄の婚約者と浮気した主人公が兄に浮気を咎められ､喧嘩して兄に重症を負わせてしまい､その兄を車で運んでくる途中で事故に遭うという単純なものだったのが､映画への興味を減退させてしまう｡ここから主人公が未来を変えようとする行動に出たとしても､この時点で先の展開が読めてしまうのである｡

中盤までは良かっただけに『オープン･ユア･アイズ』の枠から抜けきれなかったのがもったいない｡