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[コメント] 夜の豹(1957/米)

三角関係の話としては展開が読めてしまうのでそれほど盛り上がらないがフランク・シナトラの歌が多いので歌を堪能する映画としては良作。しかし展開が『プラチナ・ブロンド』のパクリを思わせる展開で少し幻滅感が残る。
わっこ

**ネタバレ注意**
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後のことも考えずに大きな行動を起こした為に三角関係になってしまう無責任な男の話。ミュージカル映画史上もっとも無責任な行動をする最低な男をフランク・シナトラが好演。ストーリー自体は内容は違うが展開の持っていき方金持ち女が出て来て悪女振りをあらわにするあたりは31年のフランク・キャプラ監督作の『プラチナ・ブロンド』とほとんど同じ。先に見てしまった人には展開が何となく読めてしまいこの映画に幻滅感を覚えてしまうが歌うシーンが多く救われる。しかし主人公が非常にいいかげんに描かれていてストーリーのロマンス感を壊している。主人公の自信家ぶりは分るが後のことをまるで考えてない行動に出ることが多く起こす行動一つ一つが非常に無責任。終盤もそこまで無責任な行動をしているのに都合よくキム・ノバク演じる恋人を気遣ったり恋愛部分ではどこまでもご都合主義な展開が続く。しかし映画では彼ではなくリタ・ヘイワース演じる女性が悪女として酷く扱われているのは納得できない、彼女が彼を手に入れるためにセコイ行動に出たのは仕方ないがそうさせたのは主人公で彼女は主人公の無責任な行動に振り回されたいわば被害者側である。キム・ノバク演じる女性とも都合よく好きあったり別れたりとそんなに都合よく恋愛が発展するわけがないというような内容で失望してしまう。主人公も最後は本当に好きな女性を選ぶが回りの仕事仲間も巻き込んでおいてなんにも考えずに選んだりと最後まで無責任な男振りで嫌悪感残るオチである。フランク・シナトラも誰にも好感されない無責任男を演じることは並大抵な事ではないがそんな無責任男で主役を張るとはたいしたものである。『プラチナ・ブロンド』がキャラ設定にいいかげんさがなくラストも上手くまとまっているのに対するとこの作品は主役が身勝手な行動を無理矢理ご都合主義で片付けた作品である。ストーリーは映画としては最悪の部類。主演女優のキム・ノバクリタ・ヘイワースの綺麗さと歌だけが取り得の救いようがない映画。

(評価:★2)

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