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[コメント] 平成狸合戦ぽんぽこ(1994/日)

映画としては狸が自分ら場所を守ろうしたいが為に努力しているのにそれが報われない皮肉さが描かれている。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







狸と人間との土地を巡る争いを描いた映画。

自分たちの住処に建物を建設しようとする人間を追い出そうと必死に奔走する狸の姿が描かれていて、いくら狸が命を捨てる覚悟で頑張っても人間の驚異的な力にかなわずに場所を追いやられてしまう姿は皮肉めいているがなかなか説得力がある。この映画を見ていると人間は開拓していかなければ生きていけないのかなと思ってしまう。狸たちがあまりにも気の毒。

最初はかなり子供向けな話を想像していたが、実際見てみるとかなり大人向けに作られていて、一部の狸たちが終盤で警察に容赦なく殺されるところはなかなかインパクトがあった。人間の身勝手さが自然界に与える影響をこの作品ではブラックユーモアとして描いている感じ。狸たちが全身全霊をかけて出した幻も建設している会社の社長にパレードでやったと言われ全く何も解決されないのも哀れすぎる。

確かに映画としてはハードな内容をジブリならではのユーモアで面白おかしくブラックに描いていて興味深いといえばそうだったが、その割に狸同士の仲間としての絆があまり描かれず、思ったよりも感動的な場面はなかった。また親玉に当たる狸たちが終盤には全く出てこないのも気になった。

映画としては高畑勲の映画にしては珍しくちゃんとした真面目な内容でよかったが、キャラの描き方はやはりいまだに印象が弱くそこらへんで少し映画の出来を悪くしているのはもったいなく感じる。

(評価:★3)

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