コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] アンナとロッテ(2002/オランダ=ルクセンブルク)

構成に難あり。[スペースFS汐留ホール (試写会)]
Yasu

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







普通、回想形式の作品はまず最初に「現在」のパートを見せておいて、その後回想に入っていくというのが定石である。というより、そうした方が分かりやすいからだと思う。

ところが、この作品では中盤になっていきなり二人の老女が登場する。この二人が年老いた現在の双子であるとは、ちょっとすぐには分かりにくい。物語が二人の少女時代から始まるので、このままずっと時系列順に話が進んでいくのかと思いきや、唐突に「現在」が挿入されるので、観ているこちらとしては戸惑ってしまうのだ。

もう一つ難点を挙げると、回想シーンは、戦後すぐで終わっている。姉妹はそれ以降「現在」まで会うことはなかった、という設定のようである。ところが「現在」が2000年代とするならば、いくら何でも時代が開きすぎだ。「戦後すぐ」が1950年ころとしても、半世紀も経っているのである。その間姉妹は何をしていたのかがほとんど分からず、再会した二人の口から一言二言語られるのみでは、逆に「どうして今さら再会したのか」と問いたくもなろう。

というわけで、素材はなかなか良いものだったのに、料理の仕方のまずさのせいで凡作になってしまったという印象。惜しい。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。