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[コメント] A.I.(2001/米)

人の作り出すモノという意味で、高度なCGTと高度なAIとは、ある同じ命題を提示しているかも。
小山龍介

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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最後に照明が消えていくとき、その構築物が確からしいものとして、その存在を残していく。 CGIが、ありもしない存在を描き出すとき、その光景がもはや当たり前のものとして感じられてくる。しかし、確かにその光景はAIを見る前には見たこともない光景。見る前と見た後での断絶は、ロボットが心を持つかどうか、という命題と同じようなジレンマがあるのかもしれない。 人が制作したモノ、という意味ではAIもCGIも同じようなもので、例えば絵画そのものに心はなくても、その絵画は製作者の心を映し出しているかもしれないという点において、宿ってはいる、といったような。 この映画がキューブリックに捧げられることの意味というのは、一日だけ特別な力でよみがえる母親がキューブリックである、なんていうロマンチックな(そしてグロテスクな?)解釈はともかく、映画の中でことあるごとにキューブリックになりきろうとしたスピルバーグは、映画史のなかで彼自身がデイビッドであったからというのも、映画素人がしゃべるぶんには、ちょうどいい神話かもしれませんね。

(評価:★4)

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