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[コメント] イン・ザ・ベッドルーム(2001/米)

アメリカ社会の抱える暴力という問題を浮き彫りに鋭く描いた作品。家族の喪失に立ち向かう残された家族の表情を丁寧に捉えている。が…
TOBBY

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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原作者は自分が北欧か何かに生まれていたら、この作品は描かなかったと語っているが・・。国による文化的差異を差し引いて見ても後半の展開は、あまりにも納得しかねる。幾らアメリカが銃社会であり、そこかしこに暴力が溢れているからと言ってもラストの解釈は非現実的すぎる。モラルや人間性と言うものを、そう簡単に失くせるものなのか疑問。しかしその部分を差し引けば全編に溢れるリアルなアメリカの日常の風景や家族の絆が鋭い観察力で捉えられており魅せるのも確か。役者たちのいぶし銀のような演技も素晴らしい。特に本作で久々のオスカー・ノミネートも果たしたスペーシクは息子の生前からラストに至るまでの気持ちの変移を巧みに表現する。同情する友人に対しての表面と心の底での感情のギャップなどの複雑な演技も巧妙に演じる。歯切れの良いトメイの演技も単調になりがちな作品にアクセントをつける。夜明けにベッドルームで無言で煙草をくゆらす、すべてを承知したスペーシクが印象深い。撮りあげた監督のフィールドは役者としても活躍。今後の作品も気になる。

(評価:★4)

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