アレンが冒頭の父親を殺して失踪するシーンの唐突さからして、説明もないので何のこっちゃ？と…。 その後、あまりのキャラクターの描き分けの下手さにハイタカが登場した時にアレンの父親と混合してしまい一瞬混乱した。 そもそもジブリは登場人物が、いつも同じ顔！アシタカとかアスベルとかアレンが並んでも区別つかないと思う…ディズニーを見習え！と言ひたい。

で、アレンの身勝手さも共鳴出来ないが、テルーの身勝手さも共鳴出来ず、要するに主人公二人のキャラクターに魅力が無いと云う時点で終ってるように思う。 原作ファンからだけじゃなく子供達からも支持を得られなかったと言うのもキャラクターのデザインだけではなく心情描写や性格設定に深みが無いせいでしょう。 子供達だって大人以上にしっかりと物語や人物像というものを見極めるものです。

自分の場合、最初から期待はしていなかったので、まぁ文句を言いつつ最後迄観られてしまったので一応は甘めの平均点。 クモを演じた田中裕子の様子のおかしさに妙に心を捉えられてしまひ（！）そこが良かった。アニメーションにおける声の役割を再認識。 キャラクターもオリジナルらしいけど、唯一、この作品では生き生きしていたし実写だったら助演女優賞はクモ。 アレンは岡田准一よりは、もう少し子役を使った方が良かった気も。テルーの手嶌葵は素直な演技だけど逆に妙にそれが鼻についた…。 ユパと混乱しながら観たハイタカの菅原文太も声だけで存在感が別格で流石の貫禄。人の歴史は声にも出ますな。

純粋な作品の評価だと大袈裟な割には心理描写は曖昧だし，悪者成敗で大団円的ラストが、あっさりだし、"龍の子太郎"とか"ネバーエンディングストーリー"が脳裏をよぎり ゲドが魔法の剣を振りかざし夜道を駆けるシーンは、まんま「ロード・オブ・ザ・リング」のガンダルフにあったし…デジャヴなひと時を過ごしそうになるので2点。 でも、現実を忘れさせてくれる異世界へ短い旅が出来たのと役者陣のアフレコに免じてこの点数。

描き足りない部分の多い作品の中で，丸ごとカットすべきはテルーの歌唱シーン。あんなんPVじゃあるまいし静止のアニメでいらん。何を考えてるのだこの監督？