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[コメント] ホット・スポット(1990/米)

アメリカの南部の片田舎。これだけで、どこか乾いた退廃的な雰囲気が漂う。同じエロティックさを描いても、都会と田舎ではニュアンスが異なる。本作品は、田舎の男女の関係に、秘密と犯罪を上手に絡め、大作では無いもののアメリカの一部分を絶妙に感じさせてくれる。しいて難を言えば、悪女を演じるマドセンが、美しいが小粒すぎる。
TOBBY

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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南部の乾いた雰囲気が服を着ていても奔放さとエロティックさを醸し,絶対に危険な関係になるのだろうなという暗示を冒頭から感じさせるのが素晴らしい。 構成とかセオリー重視ではなく感覚的に「雰囲気」を映像化してしまうホッパーのセンスは評価したい。

しかし、台詞が異様に陳腐なのは、いただけない。特に悪女でありヒロインであるマドセンの台詞が杉本彩あたりがコントで言いそうな安っぽい台詞の連打で、せっかくキーパーソンとして魅力的な悪女なのに株をさげて惜しい。

主人公の流れ者の、ちょい悪オヤジを演じるジョンソンもTVサイズであり、どうもスクリーンでは存在感を発揮しきれていないのも悪い意味で発見では、あった。

ジェニファー・コネリーの唐突な巨乳披露は讃えたい。がストーリー上、キャラクター的に異様に不自然ではある。自分に自信が無く生真面目で,他人に脅えて横領をしてしまう娘という像に純粋さを重ねるのはマドセンのヒロインに対比させる為の強引な印象も。

マドセン演じた悪女をマドンナかシャロン・ストーン、ジョンソンの役柄をショーン・ペンあたりで観てみたかった。

あっさりラストで,自分の意志を貫かずに相手に妥協してしまうジョンソン演じた主人公の適当さと、マドセン演じるヒロインの心底根性の悪さは、映画的に偽善者ぶっておらず素晴らしい。

(評価:★3)

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