まず飯田譲治には転職して欲しい。

正月深夜の地上波放送で、"ながら観"したのじゃ無ければ、怒りで沸騰して茶を沸かしていたかもしれない。 それでも★2に、とどめたのは邦画にしてはウズベキスタンでの長期ロケのかいがあって、スケールの大きさだけはあったから（センスは別問題）。

根本的にアートセンスは皆無で、廃墟と化した風景を、これがハリウッドならもっと色彩を交えて上手に創作したはず。 しかし本作の監督もスタッフもセンスが無いので、ただただ灰はグレー、廃墟も人も汚れきり、色彩の無い味気ない暗いトーンで凡庸にまとめるので映画全体が必要以上に憂鬱で重く暗い印象に…。

主人公の妻夫木は健全すぎるものの主役の高校生を好演。SAYAKAは遺伝と思われる演技力の無さを披露。てっきり妻夫木と渡り合うと思っていたノボル役の山田が、あっさり途中退場して以降は、ただただ主人公カップルが似た様なつまんない風景を放浪するPV状態。

その後、藤木、近藤、根津、松重らが次々出てくるが、見せ場も無くあっさり消え去る顔見せのオンパレードに監督の力量の無さを心の底から痛感。 主人公や登場人物達に成長、恋愛、狂気、人間性、など描いて欲しい感情面の描写やドラマが、いっさい無く、奇抜な設定を放り出しておいて、全然解決しない展開が犯罪の領域。

一番酷いのは妻夫木に「いったい何の為に誰がこんな食べ物を作ったんだ？」と観客の誰もが思っている例の不思議な食材の事を語らせておきながらの放置っぷり。…。 その後、特に何も無く平板にラストは「絶対に生きてやる！」と絶叫させて終わりって…。 その続きが観たいんじゃん！観客は〜！！！。

巨額の制作費を投資してこのレベルはあまりにもお粗末。夕張の財政負担が頭を過ってしまった…。邦画って恐ろしいな…と思わせる脅威の反面教師映画。関係者は全員辞職レベル。 「どう？こんなにセットもCGもロケも頑張ったの。凄いでしょ？」と威張られても、アホか！と全身全霊で突っ込みたくなる。この監督には映画の神様から"破門"の烙印を押していただきたし。