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[コメント] CODE46(2003/英)

ストーリーが端折られてる感もあるが、淡い白昼夢を見せられたようでもあり、映像と音楽にせつなさのツボを突かれた。
ざいあす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







やられました。映像と音楽に。

時に音楽が良くて骨抜きにされました。

近未来SFというより不倫もの。その許されぬ恋の逃避行はまたもや「ブレードランナー」を思い起こさせる。そして人間であるアイデンティティの要件の<記憶>がキーとなるところも。こっちはロケの映像が素晴らしくて、荒涼とした荒地とカオス的な上海の夜の街が否応なしに孤独な人間の切ない情感を浮かび上がらせる。

優性な遺伝子を管理する人間疎外な未来社会という点ではかなり「ガタカ」的。ただ、「ガタカ」では管理社会に抗う人間的なパッションが丁寧に描かれたのだが、こっちは少しサラっとし過ぎな感が。出会いからフォーリンラブまでの唐突さは許すとしても、妻子と幸せに暮らしているウィリアムがいきなり恋に落ちるのはちょっと不自然。<コード46>のオチである程度説明されてしまう気もするが、もっと悲恋を盛り上げる血肉が欲しかった。ただし、ウィンターボトムの演出は、細かい人物描写よりも簡潔にエッセンスを抽出して見せるタイプなのかも。最近ではソダーバーグの「ソラリス」、トム・ティクバの「ヘヴン」みたいな。

サマンサ・モートン、また彼女しかできないようなエキセントリックなキャラだったが、「ギター弾きの恋」や「マイノリティ・リポート」に比べてイノセントさが足りないというか・・。デブ専丸顔好きと言われる僕でもストライクゾーンぎりぎり。アップの多いベッドシーンではいささか辛かった。前半ではセリフも多くて活き活きしていたが、後半は役柄のせいもあってボーっとしたまんま。それでも泣けたけど。

あのベッドシーンでの<三角地帯>の直球なボカシは残念。どうしてオッパイも見せずにいきなりそこに行くのかビックリしたが、終盤の悲劇的なオチを考えれば伏線的メタファー(「トーク・トゥ・ハー」的な?)かもしれないと思ったりして。しっかり見せてくれ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] あき♪[*]

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