もう全編トバしまくりで毒がハンパじゃない。いちおう隊員同士の諍いから恋愛まで人間ドラマもあるんだけど、ことごとくブラックで笑わせる。下ネタも暴力もフルパワーだけど、それを人形がやっているからたまらない。

恋愛シーンでマジなやりとりしていると、ベッドシーンになだれこみ、あめりかーんなラブソングが流れる中で抱き合ったと思ったらいきなりピストン開始。ワンワンスタイルから両足を掴んで逆さにしてバコバコ。あとネーチャンの顔が上下したりやりたい放題。しかも人形の動作に大笑い。

一番大笑いしたのは主人公の新人隊員のゲロシーン。店の外で吐くんだけどこれがハンパない。次から次へとゲロが1,000リットルくらい出てくる。悲しみのズンドコみたいな音楽でシリアスにしておきながら、これでもかと過剰にゲロ吐きまくって最後はカメラが俯瞰になってゲロの海で倒れてる引きの絵。すご過ぎるよ。

ハリウッドスターたちもキム・ジョンイルもマイケル・ムーアもケチョンケチョン。 とにかく出てくる奴みんなクソミソ。セリフのキメもディック、プシー、アスホールだし。集約するとチンコマンコケツの穴ゲロゲーロ脳みそバンですね。

サウスパークよりもリアルに振った人形がマジで演じてるので、その落差が断然おかしい。表情は細かく動いてコワイんだけど、歩き方は糸吊りのまんまでチョーしょぼいのも最高です。Ｈシーンやゲロシーンを異常に長く回したり、マヌケな歌の数々など、こだわりやセンスの良さが図抜けてます。作劇上の制約から解放されてるからできることなんだろうけど、それをできる設定にしちゃったトレイ＆マットの勝ちでしょう。

政治的なメッセージ色はないけど、正義なんて独りよがりの勘違いでしかないと思い知らされるだけでもたいへんためになる良い映画だと思います。